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2010 ●Antoine Fuquaが監督を務める2Pac (Tupac Shakur)の伝記映画は11月中旬にも撮影が開始されると噂されているが、同作は2001年の伝記映画『アリ』に携わったStephen J. RiveleとChris Wilkinsonが脚本を担当するようだ。
 Stephen J. Riveleは1996年に銃撃で殺害された2Pacについて、調べ始めるまでは何も知らなかったことを明かしている。「Tupac Shakurについては何も知らなかった。しかし、今世紀に生まれてしまった19世紀ロマン派の詩人だという事がわかってきた。明らかに彼はとても怒りを感じており、あらゆる状況において暴力の対象となっていたんだ。しかしその怒りを払拭し、もっと純粋な声を探し始めたところだったのだ」
 同作は当初、伝記的な内容での製作が予定されていたが、最終的には2Pacが凶弾に倒れた最後の1日と、それに先立つ4年間に焦点をあてたものに変更された模様。
 2Pacを演じる主演俳優は未定だが、2011年公開に向けて本格的な動きをみせている同作に期待したいところだ。



●Digital Undergroundが未発表曲などを収録したミニ・アルバム『The Greenlight - EP』をJake Recordsからリリースした。
 まだ存在するはずの2Pac参加スタジオ・レコーディング未発表作品は収録されなかったが、貴重音源の一つである "Same Song" のライヴ・ヴァージョンがお披露目となっている。
 このプロモーションを兼ねたMix-CD『DU2010 - Mixed By Trackstar The DJ』も発表されて、そちらでも2Pacがフィーチャーされた"Same Song" ライヴ・ヴァージョンを聴くことが出来るようだ。



●Denzel Washingtonがアカデミー主演男優賞を受賞した「トレーニング デイ」の監督で知られるAntoine Fuquaが、次回作は2Pac (Tupac Shakur)の伝記映画であることを明らかにした。
 Morgan Creak ProductionsのCEO=James G. Robinsonと共に9月から制作準備に入り、今年の終盤には撮影を開始したいとFuqua監督は語っている。
 2Pac役となる主演俳優に関しては「新人を起用したい。一人でも多くの新人に出会い、HipHop最大のアイコンである2Pacを演じる事の出来る俳優に辿り着くのが最大の目標だ」と意気込みをみせている。



●新生Death Row Records=WIDEawake/Death RowのJohn PayneがVIBE誌の取材に対して、今年のクリスマス・シーズンに2Pacの未発表オリジナル音源で構成されたアルバムをリリース予定だと語った。
 John Payneによれば「Remix等が施されてない完全な未発表オリジナル音源で2Pacのアルバムをリリースする。これらの音源は『All Eyez On Me』制作期のものが中心であり、2Pacが生きていればリリースされていた可能性のある作品だと考えている」とのこと。
 昨年末の段階では、WIDEawake/Death Rowは今年の6月中旬に2Pacのアルバムをリリースする予定であったが、今年に入ってAmaru Entertainment側との交渉が難航しているという情報も漏れ伝わってきていた。
 WIDEawake/Death Rowはこの6月、Crooked Iの未発表音源を収録したアルバムをリリース事になっている。



●トランスワールドジャパン発行の月刊誌『CUSTOM LOWRiDING(カスタムローライディング)』最新2010年6月号の表紙を2Pacが飾った。2Pacが国内雑誌の表紙を飾るのは、2006年初頭の「bmr」以来4年ぶりとなる。
 “神話を超えろ!!Wヒップホップの過去と未来”特集の一環として、「2PAC ストリートの神話」と題した巻頭記事も組まれており、デビューから20年を経て波乱の生涯を振り返る内容となっている。冒頭の年譜に始まり、代表的なプロモーションビデオ紹介やトリビア、関連のビデオや書籍紹介、そしてアトランタにあるTupac Amaru Shakur Center For The Artsを現地取材した内容で構成されており、編集スタッフの「若い世代にも今一度2Pacの存在を」という思いが伝わってくる。
 コアな2Pacファンには少々物足りない感のある特集記事かもしれないが、編集長が「自分が編集長になったら絶対2Pac特集を組もうと思っていた」という熱意が実現したものでもあり、たとえ没後十年以上が経過しても、2Pacの存在を伝えていきたいという思いは当サイトとしても大いに共感するところで、ここに敬意を表しておきたい。



●先月Track Listなどの詳細をお知らせしたDanny Boyの『It's About Time』だが、amazonでも予約取扱いが開始となった。
 ジャケットからも判る通り、90年代中ばにDanny BoyがDeath Row Recordsでレコーディングしていながらリリースが延期となったままだった未発表曲を中心に構成されたアルバムだ。
 DJ QuikやDevanteがプロデュースを手掛けており、Roger Troutmanも参加した注目作となっている。新生Death Row Records=WIDEawake/Death Rowが放つ一連のリリース第4弾で、4月20日発売が予定されている。


Check!●3月23日に膨大な最新未発表曲を『Outlawz The Lost Songs』アルバム3枚で一挙にリリースするThe Outlawz。Fatal HusseinやNapoleonといったオリジナル・メンバーが久々に加わった作品やDanny Boy, Bizzy Bone, Lazie Bone, Erick Sermon, The Game, Yukmouth, Boot Camp Clikといった面々との共演作なども収録された興味深い内容だ。EDIやYoung Nobleも未発表作品で構成したアルバムを同時にリリースする。
 さらに、DJ Fatalが一年ほど掛けて進めていたプロジェクトも完成し、Young Nobleの未発表音源集であるMix-CD『Outlawz & DJ Fatal presents/ Young Noble: Noble Justice (The Lost Songs)』としてリリースされた。Quimmy Quimが手掛けたTrackでFatal HusseinやNapoleonといったメンバーと久々にマイクリレーする"Killaz in Here"などにはやはりゾクゾクさせる瞬間がある。



●新生Death Row Records=WIDEawake/Death Rowが2010年の第一弾として2月9日にリリースしたKuruptの『Down and Dirty』は「Against Tha Grain(2005年発表)」の一部改訂盤といった内容で期待を裏切られた感もある。
 しかし、2Pac作品への印象的な参加でも知られ、往年のDeath Rowファンが秘かに愛したシンガー=Danny Boyの単独アルバムがいよいよWIDEawake/Death Rowからリリースされる事となった。
 4月20日にリリースが予定されているDanny Boyの『It's About Time』は、DJ Quikのプロデュース作が複数発掘収録されるだけでなく、Devanteプロデュース作やDJ Quikが手掛けたRoger Troutman参加作などもようやくお披露目となる。
 Death Row全盛期のサントラ盤「Murder Was The Case」からシングルカットされていた"Come When I Call (Remix)"や、昨年WIDEawake/Death Rowからリリースされた4枚組BOX-CD「Ultimate Death Row Box Set」に先行収録された"So In Love"など全15曲収録だ。


Danny Boy "It's About Time" Track List
01. Intro
02. Blow Your Mind Away [Prod. by DJ Quik]
03. How Many Times [Prod. by DJ Quik]
04. Think It's About Time
05. Between Me And U (feat. Roger Troutman) [Prod. by DJ Quik]
06. Break U Off
07. So In Love [Prod. by DJ Quik]
08. Church Interlude
09. Can I Come Over
10. Just Ride [Prod. by Devante]
11. If U Don't Mind
12. It's All About U
13. Steppin' [Prod. by DJ Quik]
14. Mama Used To Say
15. Come When I Call (Remix) [Prod. by DJ Quik]


 WIDEawake/Death Rowは当初の計画通り、6月に2Pacのオリジナル未発表曲集のリリースを予定している。


Check!●米国のNYに本部を置くケーブルテレビ・チャンネル=VH1(MTV Networks運営)が、2PacやNotorious B.I.G.をはじめ、ジョン・レノンやマーヴィン・ゲイ、そしてマイケル・ジャクソンまで有名アーティストの死亡事件を特集する番組『Famous Crime Scene』をスタートさせた。
 注目の2Pac銃撃事件は先日放映され、事件当時の映像は勿論、銃撃当夜の再現フィルムやSuge Knight, OutlawzのEDI, 2Pac晩年期のボディガード=Frank Alexander, 担当医や警官らの最新証言をもとに構成されたドキュメンタリーとなっている。駆けつけた警官達に銃を突き付けられ道路にひれ伏すSuge Knight。独り瀕死の状態で車内に残される2Pac。ようやくメディカル・センターに運ばれ、集中治療の果てに右の肺が摘出される。これらの再現フィルムと検証映像はあまりにも生々しく、没後十年以上が経過しているとはいえ、ファンには切ないところだ。
 約20分間の映像をWorldStarHipHop.comで視聴する事が出来る。右上のキャプチャー画像よりリンクしています。
2009 ●キリスト教カトリックの総本山バチカンが公式MySpace上で発表している“今週の音楽”12曲の中に2Pacの曲が含まれた事が大きな話題となっている。
 同時に選ばれたのは、モーツァルトや英人気歌手Shirley Basseyの曲など。
 バチカンのローマ法王庁では、関連施設で流される音楽が厳格に決められている。大半は宗教音楽かクラシックであったりする。
 バチカンが選んだ2Pacの曲は、没後リリースされたベスト盤収録の"Changes"。歌詞には露骨で過激な表現があるものの、麻薬や暴力、犯罪まみれのストリート生活から変わりたいという気持ちがこめられている事から、バチカンは「人間の良心を求める内容だ」と評価している。
 法王庁の音楽リストには、現在のところHipHopはこの一曲のみ。それどころかThe BeatlesやMadonnaなどのPOPソングも見当たらない。
 キリスト教圏において絶大な影響力を持つバチカン認定の名曲となった事について、2Pacの母=Afeni Shakurは「息子は多くの人にメッセージを届けようと努力していたので、彼の音楽が世界中の人に大きな影響を与えていることに感謝しています」と喜びを表した。
 "Changes"は、バチカン公式MySpaceでの再生回数が数百万回を超えている。



●米国にて『RESPECT.』マガジンが創刊となった。
 フォトグラファーによる写真作品やデザイナーによる作品、文章などを中心にHipHopカルチャーを読み解くコンセプトとのこと。
 現在発売となっているプレミア号の表紙は、我らが2PacとJay-Zの2種類が存在する。


Check!●ひとつひとつの作品を丁寧なRemixで仕上げている事でファンからも定評のあるDJ Fatal。前作『Tupac Shakur: POWAMEKKA』から2年ぶりとなる最新作『2Pac: Rise of a Panther』が発表され、Hiphop/R&B/Reggaeの正規Mix-CD通販サイト=Hiphopmix.jpでも取扱い開始となっている。
 今回のRemixでは、"Pain"や"Better Dayz"等でMichael Jacksonがfeatureされており、彼の追悼的要素も含まれているようだ。他には"Ghetto Gospel"のOriginal VersionでSamplingしていたTracy Chapmanを改めて絡めたRemixや、生前の2Pacがお気に入りだったSadeといった女性Artist達のfeatureも特徴的だ。そして盟友Daz Dillingerも今回のMix-CDの為に参上している。相変わらずDJ FatalのRemix手腕は手堅いところで、全19曲を一気に気持ちよく聴く事が出来るだろう。
 今年は2Pac名義の正規リリースは無いまま終わる事となるが、ファンはその枯渇感をこのMix-CDで満たしてみては如何だろうか。



●9月に「Dr. Dre/ The Chronic Re-Lit & From The Vault」、10月には「Snoop Doggy Dogg/ Death Row - The Lost Sessions Vol.1」と順調にリリースを続けている新生Death Row Records=WIDEawake/Death Row Entertainment。
 11月24日には『Ultimate Death Row Box Set』がリリースされる。これはCD3枚とDVD1枚の4枚組で、Death Row Tシャツも封入した気合いのBOXセットである。往年のDeath Rowが放った代表曲は勿論、Snoop Dogg, Kurupt, Tha Dogg Pound, OFTB, The Lady of Rage, Jewell, Crooked I, Danny Boyといった面々による20曲以上の未発表作品も収録される。約60分のDVDはビデオクリップや秘蔵映像で構成されている。
 さて肝心の2Pac関連作品だが、"California Love", "How Do U Want It", "I Ain't Mad At Cha", "2 Of Amerikaz Most Wanted", "To Live & Die In L.A.", "All Eyez On Me", "Never Had A Friend Like Me" が収録され、残念ながら今回は未発表曲が含まれていないようだ。
 そのあたりは来年6月にリリースが計画されている2Pacの未発表作品集に期待するとして、埋もれたままとなっていたDeath Row作品を純粋に楽しめる時期がやって来た事を歓迎したい。



●2PacやTeddy Riley、2 Live Crewなどの楽曲出版権を所有する音楽出版会社=EverGreen Copyrightsは、Death Row Records音源の新たな管理会社となったWIDEawake Entertainment Groupとの取引に署名した。これにより、EverGreenはDeath Row Records音源のライセンスを管理取扱いする事が取り決められた。
 以後EverGreen/WIDEawakeは、Dr. Dre, Snoop Dogg, Tha Dogg Pound (Kurupt & Daz), Nate DoggといったArtist達の未発表作を含むDeath Row音源全ての著作権とマスターテープを扱っていく事となる。他には、Crooked I, Lisa "Left Eye" Lopes, RBX, Lady Of Rage, Warren G, K-Solo, Danny Boy, DJ Quikの未発表アルバムも含まれるようだ。
 EverGreen/WIDEawakeは、早速テレビ番組や映画のために "Nuthin' But A G Thang", "California Love", "Gin N Juice" 等の楽曲使用を認可開始している。
 そこで注目される2Pac関連だが、2010年6月の誕生日を祝うかたちで、未発表作品で構成されるニューAlbumがDeath Row Records(EverGreen/WIDEawake)からリリースされる予定で、海外への配給はEMIが実施するようだ。
 新生Death Row Recordsは、まず今年の9月1日にDr. Dreの「The Chronic」に未発表作4曲や未公開映像のDVDを追加したコレクターズEdition Album『Chronic Re-Lit』をリリースする。
 そして年末にはDeath Row Records Box Setもリリース予定で、未発表音源や未公開映像を含む4枚組CDとなりそうだ。
 往年のDeath Rowクオリティをよく知る2Pacファンにとっては今後が期待できそうな展開となってきた。



●まずは残念なお知らせから。2Pacが1990年にレコーディング契約を獲得するまでの初期キャリアにスポットをあてたドキュメンタリーDVD及びその初期未発表音源を発掘するサウンドトラック盤『2Pac: The Early Years』、そしてKlock Work Entertainmentが計画していたJohnny "J" & 2Pacのトリビュート盤『All Eyez On Us: Tribute Album』だが、権利関係の壁が立ちはだかったらしくリリースは暗礁に乗り上げてしまったようだ。
 海賊盤紛いや権利を一切無視したリリースが横行するのは断固阻止すべきではあるが、Amaru Entertainmentにももう少し柔軟にこういった企画を許可して頂きたいものである。
 さて、一方の正規音源リリースだが…“2Pacのベスト盤”として、揺るぎない人気と価値を誇る『2Pac: Greatest Hits』の完全生産限定盤がBMG JAPANから7月22日に発売されることとなった。
 これは、より高音質なサウンドが楽しめる【Blu-Spec CD】で、Blu-ray Disc用に開発された高分子ポリカーボネート採用によりジッター(ノイズ)の原因を低減、収録された一音一音を最大限鮮明に再生してマスターテープクオリティを忠実に再現することに成功した高音質CDである。特別なプレイヤーは必要無く今まで通りの通常CDプレーヤーで聴くことが出来るのも特徴だ。
 BMG JAPANからリリースされている通常盤(3,150円)に比べると若干価格は上昇する3,990円の完全生産限定盤だが、【Blu-Spec CD】の高音質を体験してみる良い機会となる人もいるだろう。



●昨年10月3日に亡くなったプロデューサーのJohnny "J" Jackson。彼は2Pacの中〜後期キャリアにおいて数々の名作を手掛けた存在として、ファンの間でも絶大な支持を得続けている。そんな彼が運営していたKlock Work EntertainmentからJohnny "J" 追悼アルバムがリリースされる事になった。
 『All Eyez On Us: Tribute Album』と題されたトリビュート盤で、詳細は未定ながら、当然Johnny "J" が手掛けた2Pac関連作に近いものが収録されることになると思われる。権利関係がある事から、2Pacの既リリース音源ではなく、むしろ別ヴァージョンやOriginalヴァージョンの収録も考えられる。過度な期待を抱くのは早急過ぎるが、いずれにしてもJohnny "J"と2Pacのトリビュート盤として注目に値する事は間違いない。
 このアルバムの発売予定日は6月16日…そう、2Pacの誕生日である。



●“2Pac、13年前の東西コラボ作がリリースへ!”というニュースが一部の音楽情報サイトで話題となっている。
 先行でこの情報を海外からキャッチしていた当サイトとしては、詳細を掌握した時点で「黙殺して構わない類の話題」と考えていた。しかし日本でもこのニュースが取り扱われ始め、誤った事柄が事実として知れ渡ってしまう事は、故人である2Pacや関係者にとっても本意ではないと考え、この情報を取り扱うこととした。
 まずは最近広まったニュース内容を転載する。

<2Pac、13年前の東西コラボ作がリリースへ!>
 2PacとBoot Camp Clikとの幻のコラボレーションアルバム「One Nation」が。同作だが、このところ精力的な活動が目立つA.E.G.が権利を獲得し、3月20日にiTunes、Amazonといった主要音楽サイトかデジタル配信のみでリリースすることが明らかになった。
 これは1996年激化した東西HipHop抗争を鎮静するために、西の当事者だった2Pac自らの発案で制作に乗り出していた作品。彼とNYブルックリンを拠点とする、Buckshot、Smif-n-Wessunらのラッパー集団Boot Camp Clikがコラボレートしていたという。生きていれば今年38歳になる2Pacの新作としては2006年リリースの「Pac's Life」以来で、18曲入りの同作には、Snoop Dogg、Busta Rhymes、The Outlawz、Big Daddy Kane、Greg Nice、2Pac殺害事件の翌年、同じく凶弾に倒れた故Notorious B.I.G.などの名前がクレジットされている模様。
(転載以上)

 2PacとNotorious B.I.G.の個人的対立が発端となり、それがレーベル間(Death RowとBad Boy)の対立に発展した事を受け、マスコミは“HipHopの東西抗争”と煽り立てた。
 対立を抗争とまで荒立てられた事に戸惑いと憤りを感じた2Pacは「EastもWestも関係なく他地域も含めて広く声をかけ、集った面々で真のHipHopを提示してみせる」とスタートさせたのがOne Nationプロジェクトであった。
 まずはBoot Camp ClikやGreg Nice、Grandmaster Melle Melが1996年夏のセッションに参加。そこにOutlawzは勿論、2Pacのレーベル・メイトであったSnoop DoggやTha Dogg Poundも関わってレコーディングが進められた。2Pacが銃弾に倒れた事によってプロジェクトは頓挫する事になったが、生前の2Pacは、Scarface、Yukmouth、Spice1、Bone Thugs-n-Harmony、Outkast、そして銃撃直前に和解したNasにまでもプロジェクトへの参加を要請していたという事からも、One Nationは単発企画ではなく継続するプロジェクトとして考えていたようだ。
 以上までがOne Nationの確かな概要であり、残念ながら完成している楽曲はこれまでオリジナルのまま正規リリースされる事はなかった。
 では、今回主要音楽サイトでデジタル配信される「One Nation」とは一体何なのか?結論からいって、正規ルートとは一切関係のないもので、いわば海賊盤のデジタル配信でしかない。権利云々もデタラメだろう。実際、海賊盤CDやアルバムはAmazonやiTunesでも平然と取り扱われている。
 今回配信される18トラックの半分が一切One Nationとは関係のない音源で、1996年夏のセッションで制作されたタイトル曲="One Nation (Set It Off)" を初めとするMelle Mel参加曲や "Basket Case (Sho Shot)" 等もリストから漏れている。つまり、分散して一部流出している音源(勿論マスター音源ではない)を中心に、関係のないコラボレーション音源(時期もバラバラ)等で増量して18曲にまとめあげただけのモノである。さらにはインタビュー音源やDJ FatalのRemixまで紛れ込んでいる。
 Notorious B.I.G.がプロジェクトに参加するわけもなく("House Of Pain" はInterscope時代の共演作)、Big Daddy Kaneとの共演作はOne Nationのためのレコーディングではない。Busta Rhymesのように聞こえるRapはCapital LSである。ここまで誤ったものが権利をクリアしているわけもない。勿論、今回の配信をOutlawzやBoot Camp Clikも一切アナウンスしていないのだ。
 海賊盤や違法配信が横行するのは今に始まった事ではないが…さも正規=オフィシャルのような旗を振り翳して大々的に振り蒔く行為には大きな憤りを感じる。こういった音源の配信が横行すると、その音源がオリジナルで正規リリースされる可能性を著しく低くしてしまうのである。
 リスナーが今回の偽配信音源を購入してまで聴くのは自由だが、“正規音源のアルバムが配信限定でリリースされた”というわけでは決してない事を理解しておいて頂きたい。



●「2Pac Still Breathing Tour」の一環として間もなくドイツ公演を実施するThe Outlawz。彼らが立ち上げたクロージング・ライン=Outlaw Cultureのプロモーションも兼ねたMix Tape『OUTLAW CULTURE: The Official Mix Tape』の第2弾も間もなくリリースされる。
 第1弾であった「OUTLAW CULTURE: The Official Mix Tape - Vol.1」には、Hussein Fatal, Young Buck, Crooked I, Xzibit, B-Real of Cypress Hillらも参加していたが、『OUTLAW CULTURE: The Official Mix Tape - Vol.2』には2Pac+OutlawzのNew Track「Did It All B4 (feat. Lloyd)」も収録される事になっており、同曲が先行発表された。
 "2Pac+Outlawz/ Did It All B4 (feat. Lloyd)" は、New Trackではあるものの2PacのVerseは既発曲からの流用。しかし、それでもなかなかメロウな佳曲として仕上がっている。
 2Pacの新作リリース関連にはまだ動きが無いので、ファンにとってはこのようなNew Trackも有り難いところだ。



●1月27日にMass Appeal Entertainment/KOCH RecordsからリリースされたLisa "Left Eye" Lopesのニュー・アルバム『Eye Legacy』。Lisaと2Pacの疑似共演作 "Untouchable" の新たなRemixである "Legendary" は、最終的に2PacのVerseがCUTされたヴァージョンで収録された。
 当サイトの Memeber's Only Contents 【SOULJA'Z SALOON】でも既に先行でキャッチ〜公開していたLisaと2Pacの "Legendary" だが、結果的にAmaru Entertainmentから発表の許可が得られなかったと思われる。たしかに、疑似共演〜Remix〜タイトル変更等といった作品が無尽蔵に増えていくのは好ましい事とはいえないのかもしれない。
 それでなくても、2PacやSnoop Dogg、Dr. DreらがDeath Row在籍時に残した音源の権利が、オーナー=Suge Knightの破産以降は流動的な状態となっている。
 Death Row Recordsは破産法の適用を受けて、マスター音源等が先日1月15日にオークションにかけられ、総額1,800万ドルでカナダのWIDEawake Entertainment Groupに落札された。
 WIDEawakeはカナダで音楽や映画制作を行っている会社で、同国ではUniversal Groupの配給を受けているというが、今後Death Row作品の世界での配給がどのような形になるかははっきりしていない。

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